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笑える話、泣ける話

カーチャン

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カーチャン

小さい頃からひいおばあちゃんの介護を一人でしてた。しかも義理の。
おばあちゃんたちは先に他界してたから、カーチャンしか見る人がいなかった。
離れに住んでたんだけどいつもいつもブザーがなって呼び出されてたな。
夕飯も自分たちのよりおばあちゃんのが先。寝たきりだから体ふいてあげたり、しもの世話までしてた。
痴呆でぼけちゃってるから食事も投げつけられたり、
誰もいないのに「あそこに女の子がいるからおい払え」とか怖いこと言われたり。
すさまじかったと幼少ながら記憶してる。
介護があるから旅行なんて全くしたこともなかったし、うちに友達を呼ぶのも禁止だった。
小学校高学年のある日、カーチャンがトイレでうずくまって泣いてるの見てしまった。
いてもたってもいられず、思わず手紙を書いた。
お母さん泣かないで、自分も妹と一緒にお手伝い頑張るから、とかそんな内容。
まだ文字も書けない妹に鉛筆持たせて、一緒になまえかいた。
そんで居間のテーブルにおいといて、寝た。
次の日の朝、テーブルの手紙は無くなってたけど、特にカーチャンは何も言わなかった。
結局ひいおばあちゃんは、自分が中学に上がるまえに無くなった。
あれから15年の月日が流れ、自分は25歳になり、去年結婚することになった。
結婚する前夜、カーチャンは色褪せたそのときの手紙を大事そうに持って来て見せてくれた。
そんで、「私はあんたのカーチャンになれて本当に幸せだよ、自慢の子供なんだ。幸せになってね。」
って言って、初めて自分の前で泣いた。自分もないた。
カーチャンみたいに無償の愛情を注げる人間になれるよう頑張るよ。

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