泣ける話ではないかもしれませんが… 私がホテル勤めをしていた頃の話。
ある披露宴、新郎が海自の方でした。同僚上司達は制服で出席。
披露宴も御披楽喜に近づき、新郎のおじいさんの挨拶がありました。
一通りの祝いの言葉の後に、
「自分は海軍にいた。孫が艦に乗っている事を誇りに思う。
自分達の世代の不甲斐なさのせいで今の海上勤務の方達には苦労を
掛けていると思う。」
たとたどしくですが話されました。
同僚達は知らなかったらしく酔っ払っていたのが、段々背筋が伸びていき
神妙に聞き入っていました。
挨拶が終わり高砂の席の一人が
「何に乗っておられたのだ」
と尋ねると、新郎は小声で
「大和です」
それを聞いた海自組一同すっ転ぶような勢いで立ち上がり、イスが倒れるのも無視して、直立不動で敬礼を送りました。
おじいさんも見事な答礼を返されました。
私はその後は仕事になりませんでした。
ウェイトレスの女の子達は不思議そうな顔をしておりましたが。