私が中学2年の時に、糖尿病を患っていた祖父が亡くなりました。
2月の初めの雪が降る日の事でした。
祖父は亡くなる1.2年前から病院に入院していましたが、病気のために体が思うように動かなく、看護婦さんや先生に当たる事もしばしばあったそうです。
そんなある日、入院しているはずの祖父が急に帰ってきたのです。
タクシーに乗って。
(ここまで人に迷惑をかけるなんて困ったジジイだ…。)
そう考えていました。
私は「どうしてちゃんと入院してなかったの!?」そう言って祖父を怒鳴りつけました。
でも、祖父はなにも言わず私の顔を見てニコニコ笑っているだけでした。
2時間後、祖父はまたタクシーで祖母と共に病院へと戻って行きました。
そうして祖父は寝たきりになって1年後病院でなくなりました。
祖父が亡くなった日、湯灌をしている時祖母がボソっともらしました。
「じいさん、孫さ会いに行くんだって言ってみ-んな止めるのも聞かずに急に外さ出てタクシーさ乗ってしまうんだものなー。
運転手さ(どこにいく?)って聞かれて孫さ会いに行くって笑ってたな…」
じいちゃん、ごめんね。
あの時は私に会いに来てくれたんだね。
それなのに怒っちゃってごめんね。
早く病院に帰れなんて言っちゃってごめんね。
せめてあの時、お茶さえ入れてあげなかった自分が情けなくて悲しいです。