私の父はとても短気で、すぐにキレるし怒鳴るし、でも普段の時は無口でいつも煙草を吸っている、そんな父があまり好きではなかった。
私のこと、大切に思ってくれてるのかな?と思うときも時々あった。
そんな中、私は中学受験をするために勉強をしていた。
家で教えるのは父の係で、毎日毎日父が付きっきりで勉強をした。
でも、出来なかったら「ここはさっき教えたばっかりだろ」と言って怒られたりした。
でも、いい中学校に行きたくて頑張って頑張って勉強した。
そして、あっという間に時は過ぎてとうとう第一志望の中学の合格発表の日。
正直いって自信があった。
でも結果は不合格、ショックで涙も出なかった。
その帰り、父が車で迎えに来てくれた。
「どうだった?」
「ダメだった…」
「…そうか」
父はそう言ってあとは何も言わなかった。
車に乗ってしばらくしてから、私はふとバックミラーをみた。
すると、あの一見冷たい父が目を真っ赤にして歯を食いしばって、必死で涙を堪えていた。
それか私が見た初めての父の涙だった。
その瞬間、私の目からも大粒の涙が止めどなく出た。
そんな父が今は大好きです。