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古本屋

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古本屋

母が中学生の頃の話。

母は父親(私の祖父です)と二人で生活していました。その日暮らし、という
表現がまさにぴったりという貧乏振りだったそうです。
ある日、父親が風邪で寝込みました。それまで一度も倒れたことなどなかったのに、
高熱を出し、あまりに苦しそうな父の様子に、母は物凄く焦ったそうです。
たかが風邪なのに、薬を買うだけのお金がない。考えあぐねた母は、大事に
していた本を古本屋へ持って行きました。その本を買った古本屋へ。
古本屋のおじさんは、おそらく切羽詰った母の表情から何かを感じ取ったのでしょう。
その本を売ったお金で、無事に風邪薬が買えたそうです。

この話が出たのは、アイヌの神さまにまつわるちょっとした雑談がきっかけでした。
「コタンの口笛」っていう、大好きな本があって……という回想から、急に
思い出したのだそうです。
母はもう65、記憶に間違いがなければ、たぶんあの時の古本屋のおじさんと同じくらい。
「あの時はとにかく必死だったけど、あんな本一冊売っただけで薬が買えるわけ
ないのよね……それだけ必死な顔してたのかも」と、呟いておりました。

大げさかもしれないけれど、母を救い祖父を救ってくれた、見も知らぬ古本屋のおじさん。
もしかしたら、今ある家族を救ってくれたかもしれない方へ、心から感謝します。
母が大事にしていたという本をネットで調べて注文しました。
もうじき母の誕生日なので、びっくりさせようと思います。

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